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小林通商のよもやま話~第15回~

皆さんこんにちは!

株式会社小林通商、更新担当の中西です。

 

~高品質な中古を見極める~

 

中古のトラック・重機は、状態の見極め再生品質で寿命もコストも大きく変わります。本記事では、仕入れから納車までの舞台裏と、購入前に使える実地チェックリストを公開。初めての方も、乗り換え検討中の方も、失敗しないための基準をお持ち帰りください。


1. 仕入れの良し悪しが8割を決める

  • 履歴の明瞭さ:所有者・用途・点検記録・事故/修復の有無。

  • 稼働実態:メーター値だけでなく、アイドリング割合・短距離繰り返し等の使われ方。

  • 環境:海沿い・寒冷地・粉塵の多寡。腐食やフィルタ負荷に直結。

  • 一次チェック:フレームの波、溶接跡、油圧系の滲み、異音。

良い素体を掴めば、再生に無理がない=長く使えるにつながります。


2. 入庫後の“再生プロセス”——当社が大切にする順序

  1. 受入点検:エンジン・ミッション・デフ・ステアリング・制動・電装。

  2. 油脂フル交換:エンジン油・ミッション油・デフ油・作動油・冷却液。

  3. 消耗品更新:フィルタ、ベルト、ホース、パッド、ローラ、クローラ、バッテリ等。

  4. 機能回復:PTO・油圧配管の漏れ止め、シリンダのシール打ち直し。

  5. 骨格・足回り:フレーム錆処理、足回りのガタ取り(ピン・ブッシュ打替)。

  6. 電装・安全:灯火、バックカメラ、警報、メーター・センサ校正。

  7. 外装仕上げ:下地処理→塗装→コーティング、キャビン・内装リフレッシュ。

  8. 試運転・作動試験:荷をかけた実負荷テスト、漏れ・温度・圧力の再点検。

  9. 記録の整備:交換部品・数値・写真を納車ファイルにまとめる。


3. 中古トラックの実地チェックポイント

  • フレーム:波打ち・曲がり・補修跡、クロスメンバーの歪み

  • サビ・腐食:フレーム内側、荷台下、キャビン下、ボルト頭。

  • エンジン:始動性、アイドリングの振れ、吹け上がり、白/青/黒煙の有無。

  • ミッション/クラッチ:変速ショック、滑り、異音。

  • ブレーキ:踏力、偏摩耗、引きずり、エア漏れ(エア圧計の落ち)。

  • ステアリング:遊び量、戻り、ジョイントのガタ。

  • 電装:灯火・ウインカ・ワイパ・ヒーター、ドアミラーの可動。

  • PTO/架装:ダンプ上げ速度、ユニックの伸縮・旋回、ゲートの上下。

  • タイヤ:残溝・偏摩耗・年式、ホイールの座面傷。

  • キャビン:シート破れ、フロア錆、パネル割れ。


4. 中古重機(建機)の実地チェックポイント

  • アワーメーター:実働と内装・ペダル摩耗の整合。

  • 油圧:アーム・ブーム・バケットの下がり、シリンダロッドの傷、ホース滲み。

  • 旋回・走行:旋回モータ音、スイングベアリングのガタ、走行モータの片寄。

  • 下回り:トラックシュー・リンク・ローラ・スプロケットの摩耗率。

  • ピン・ブッシュ:バックラッシュ量、ガタの位置(先端ほど出やすい)。

  • エンジン:始動性、アイドル音、温度上昇、白/青/黒煙チェック。

  • 電装・安全:灯火、警報、バックカメラ、ROPS/FOPS表示。

  • キャビン:視界、シート、シール剥がれ、各レバーの節度。

試乗のコツ:エンジン暖機前後、負荷をかけて油圧の追従と温度上昇を確認。


5. 書類と履歴の確認(ここが将来価値を決める)

  • 点検記録簿・整備明細:日付・走行/アワー・作業内容。

  • 取扱説明書・配線図:電装トラブル時の対応力が段違い。

  • 架装図面・適合証:改造・特殊装備の適合確認。

  • キー本数・セキュリティ:スペアの有無、イモビ再登録。

  • 付属アタッチメント:ピン径・耳幅・油圧カプラの規格メモ。


6. 保証・アフターサービスの考え方

  • 初期不良対応の範囲(期間・上限・対象部位)を文書で確認。

  • 消耗品の扱い:タイヤやブッシュなどは対象外が一般的。

  • 遠隔サポート代替機手配の目安時間、主要部品の在庫有無。

  • メンテナンスパック:点検・油脂・消耗品を定額化して稼働を守る。

  • テレマティクス:故障予兆や稼働データの共有で“止めない”運用。


7. 納車前の最終チェックリスト(買い手向け)

  1. 外観・骨格:波・歪み・錆の補修状態

  2. 漏れ:エンジン/ミッション/デフ/油圧

  3. 始動・作動:冷間・温間の両方で確認

  4. 消耗:タイヤ/クローラ/ブレーキ/パッド/ローラ

  5. 計器・警告灯:消灯・動作正常

  6. 電装:灯火・バックカメラ・ソナー

  7. 付属:取説・記録簿・スペアキー・工具

  8. 納車ファイル:交換部品リスト・検査写真・数値ログ

  9. 操作レクチャー:安全・日常点検・緊急時

  10. 契約書:保証条件・引渡条件・不具合時の連絡先


8. よくある失敗と回避策

  • 価格だけで選ぶ → TCOで比較、ダウンタイム損失まで入れる。

  • 過走・過時間を避けすぎる → 手入れの良い高アワー/高走行は狙い目

  • アタッチ不適合 → ピン径・耳幅・流量・圧力を実測で合わせる。

  • 輸送・搬入を後回し → ルート・幅・高さ・重量制限を先に確認し、回送手配。

  • 書類不足 → 将来の売却価値を落とす。今揃えるのが得。


中古は仕入れと再生の“見える化”が命。
チェックリストと納車ファイルが整った1台は、買った後に“強い”です。

 

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